私事で恐縮ですが、最近分譲住宅を購入しました。先日、家の中の電気設備の説明で思ったことがあります。キッチンや床暖房、お風呂などはすべてRで始まる大手メーカーのもので、そのメーカーの方に説明をしていただきました。聞いていると、本当に不要な機能があるわあるわでびっくりしました。例をあげると、

<お風呂>
・お風呂の中で「小鳥のさえずり」「鹿おどし」「水のせせらぎ」などといった数種類のBGMを流せる機能。30年以上使う家の設備で、こんな数種類のBGMの選択機能がどうして必要なのでしょうか?どうせなら、ネット接続でソフトウェアとしてアップデートしてくれるような仕組みならいいですが。初期の携帯電話(1995年ごろ)の着信音の選択のようなレベルです。。。
・給湯器のコントローラー(キッチンにある)にあるイヤフォンジャックにiPodなどを接続すると、お風呂のほうでその音楽が流れる機能。いったい誰がお風呂で聴く音楽をキッチンで操作するのでしょうか?防水カバーや防水スピーカーがあるのに、なぜこんな使いにくい方法で音楽を操作しなければならないのか、謎でしかありません。
・お風呂のお湯が減ったら自動で継ぎ足す機能。こんなものは、自分でやれば良いのです。この機能をオフにするのが「エコモード」という名目で存在していましたが、単に余計な機能を削げばエコになるという、とんでも無い代物です。昔はエコだったのに、余計な機能がついたせいでエネルギーをよけに使うだけです。
・お風呂の温度を一定に保つ機能。これも自分でやれば良い。上記と同じくこれをオフにするのがエコとなっている。
・お風呂を数分で炊く機能。これも不要ですね。20分くらいかかっても良いです。それを含めて、スイッチを入れれば良いのだから。これも同じく、オフにすることでエコモードらしいです。もはや怪奇現象ですね。

<キッチン>
・やかんでお湯が沸騰すると火が消える機能。こういう機能があるから人間がダメになるのです。しかし安全性のためにあってもいいかもって思いました。。
・一定の熱さに保つ機能。これも自分で調整すれば良いのであって、何も機械で。。。と思います。しかし最近はIHに対抗するために必要なのでしょう。

まだまだあげればあるのですが、とにかく不要な機能が多すぎて、そのために3センチくらいあるマニュアルまでもある。誰のためのものなのだろうと思ってしまいます。

いったいなぜこのように無駄な機能がついていくのでしょうか?おそらく一定のシェアを一定のプレーヤーで分け合っている構造であるから、そのシェアを少しでも取るために、ライバルプレーヤーに無い機能をつけようとするからでしょう。その結果、マニアックな機能がそれぞれのプレーヤーごとにどんどんついていくのです。

もはやこれは顧客目線ではありません。徹底的に廉価なものがあっても良い気がします。

しかしそこには業界的な問題がはばかります。つまり、結局ハウスメーカーが発注するのであるから、BtoB目線で営業が動きます。また、ハウスメーカーは顧客の声を代表するのではなく、顧客の声の総和としての「あれも欲しい、これも欲しい」になっているのです。住宅の一部として最終的にハウスメーカーが顧客に対して営業をかけるものですから、無駄の山盛りとなるのです。

ハードウェアとしては簡素にして、ソフトウェア的に追加できれば良いと思うのですが。あるいは標準規格でハードがあれば、分譲であってもキッチン設備、風呂設備だけは契約後に自由選択にして、1週間程度で工事してくれるとか。大量発注による低価格はできないかもしれませんが、機能的に必要十分なものを適正価格で選んで買うことができるなら、顧客もそれで満足でしょう。

今日は珍しく長くなりましたが、要するに必要なものだけに絞り込んだ製品は、逆に価値が出るのだ、ということを伝えたかったからです。スティーブ・ジョブズはこの点を深く理解していたのでしょう。